■ 電気力線と単純な電場
ここでは電気力線を用いて、無限に長い帯電直線の作る電場、及び無限に広い帯電平面の作る電場を求めてみよう。無論これらは電気力線を用いなくても、式1-17のようにクーロン力を積分する事で比較的簡単に求める事もできる。しかし電気力線の概念を採用すると、より簡単に、積分すら不要に一目瞭然で求まるのである。
但し、ここで挙げる解き方はあまり一般的なものでは無い事を予め述べておく。ここでの議論はガウスの法則の根源となった概念を追っていくためのものであり、通常はこのガウスの法則を用いて解くのが常である。
■ 線電荷の作る電場
直線状の帯電体が周囲に作る電場を求めよう。この帯電線は無限に長いものとする。また、電荷の線密度はλとする。
幾何学的対称性とクーロンの法則を考えると、電場は帯電線に垂直で放射状となっているに違いない。(図1-11)
帯電線から長さ l の部分を切り取って考えよう。この部分からは λl /ε0 の電気力線が出ているはずである。そしてそれらは全て図1-11に水色で示した円筒面(半径
r )を通る。また逆に、他の部分から出た電気力線は水色の円筒面を通らない。
【図1-11】

▲ 帯電線⊥電気力線⊥円筒面 |
電場は円筒面上の至る所で面に垂直であり、円筒面の面積は 2πr ・l であるから、帯電線から距離
r の地点での電場の強さ E(r) は:
(1-22)
でなければならない。
何故なら、円筒面を十分微小な無数の面に区切って考えれば、それらは全て電気力線に垂直な平面と見なせるからである。この微小平面を通る電気力線の量の単位面積当たり密度は、明らかに電気力線の総量を円筒面の面積で割ったものに等しい。
■ 平面電荷の作る電場
続いて、無限に広い平面状の帯電体が作る電場を求める。厚さはもたず、電荷の面密度はσとする。
今度は面から面積 S の部分を切り取って考える。従ってこの部分からは σS/ε0 の電気力線が出ている。但しこれらの電気力線は両面から出るので、片面から出ている分は
σS/2ε0 である。
先と同様、幾何学的対称性から考えて電場は面に垂直であろう。これは即ち全ての電気力線が並行、つまり電場の強さが帯電面からの距離によらず等しい事を意味する。
【図1-12】

▲ 片面から出る電気力線は σS/2ε0 |
切り取った部分をすぐ直上ずらした平面(図1-12水色)を考えると、先述のσS/2ε0 の電気力線は全てこの平面を通り、電気力線はこの面に垂直であるから、電場Eは:
(1-23)