■ニュートンの運動方程式の積分
1-2節で紹介したニュートンの運動3原理のうち、第2原理(運動の法則)の運動方程式は自然現象を予測するという、サイエンスの醍醐味を具現化するものである。このニュートンの運動方程式は2階の微分方程式によって記述されているが、これを「解く」、すなわち運動方程式を「積分する」という作業は、微分方程式で数学的に記述された自然法則を得た私達にとって、ごく自然に発想されうる解法である。そこで、この運動方程式を時間によって積分することを考える。
ニュートンの運動方程式は

で与えられた。ここで、
と定義することによって、微分方程式の階数を1つ下げている。本来の運動方程式の形では2度の積分が必要であったが、この操作によって積分作業は1度で済むようになったことに注意しておきたい。
いま、運動方程式の両辺に時刻 t1 から t2 までの時間積分を施すと

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いま、t から v への変数変換を行えば、

(1-4-1)
を得る。
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■運動量保存則
さて、ここで質量 の質点 A、B が相互作用のみによって運動している場合を考えることにする。注目している2物体に関して上記と同様の操作を行い、右辺に対して作用・反作用の法則を適用すると


を得る。この2式の辺々を加えると、

なる関係式が導出される。
この関係式に注目すると、相互作用のみで運動が行われる場合は mv なる物理量が保存することを表している。自然現象の時間発展に関して物理学はたいへん興味があり、その上で保存量は非常に重要なものとなるため、この保存量
mv は「運動量」と名付けられ、エネルギー(後述)と並んで、物体の運動を記述するための重要な役割を果たしている。一般に運動量は
p と表現される。
上記のような「相互作用のみがはたらく場合は、観測時刻によらず全運動量は保存する」という法則を運動量保存則という。
尚、法則導出の際に2物体の場合のみを考えたが、任意個数の物体について拡張しても同様の結果を得ることができる。
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■運動量変化と力積
さらに式 ( 1-4-1 ) によれば、運動量の変化は力を時間で積分したもの

に等しい。運動の状態変化(速度の変化、すなわち運動量の変化)の原因となるこの物理量は「力積」と呼ばれている。運動量変化と力積の関係は、短時間に非常に強い力(撃力)が作用する場合に多く用いられる。
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■より一般的なニュートン運動方程式
ニュートンの運動第2原理(運動の法則)は以下の運動方程式で記述される。

方程式の形から見て取れるように、この表記では運動方程式は質量が一定の場合でしか成り立たない。しかし、運動の過程で物体が損傷し、その質量を変化させる等の可能性は十分に考えられるため、先に定義した運動量を用いることで、質量が変化する可能性を示唆する運動方程式を得ることができる。(次式)

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