■概要
アルキメデスの原理は、一様な重力場において、流体中の物体に働く浮力の値を与える法則である。次のように色々な言い回しが考えられるが、どれも言っている事は同じである。
・流体中の物体に働く浮力は、その物体が押しのけている分の流体の重さに等しい。
・流体中の物体に働く浮力は、その物体と同体積を占める流体にかかる重力に等しい。
・(一般例)船に働く浮力は、船の水面下に沈んでいる部分が押しのけている水の重さに等しい。
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数学的には以下のように記述される。

左辺は物体に働く浮力、右辺のρは流体の密度、gは重力加速度、Vは物体の流体中に占める体積である。
■証明
アルキメデスの原理は、静止流体中で勝手に流れが生しない事実から、数学的に証明するまでも無く明らかに真であると言える。流体が静止状態にあるということは、流体中のどの区間に注目しても(どこをどう切り出しても)、その区間に働く浮力と重力が釣り合っている事が言えるからである。なお、数学的には以下のような証明が可能である。

水面を基準面( z = 0 )にとり、鉛直上向きにZ軸を設定する。またZ方向の単位ベクトルを ez とする。 水圧によって物体表面にかかる力は面に垂直であるから、物体表面上の
z の位置にある微小区間 dS にかかる力 f は、表面の法線ベクトル(内向きにとる)を n 、水圧を p として

と表される。(zが負であることに注意)
f の浮力成分(=Z成分)は、 ez との内積をとって f ・ez であるから、 浮力 F を求めるにはこれを立体全表面の範囲 S で面積分すればよい。
(1)
ここで、

すなわち

で表現されるベクトル場 W を定義してやると、(1)式はガウスの定理(発散定理)より、以下のようにして体積積分へと変形され、アルキメデスの原理が導かれる。
(証明終)
続いて、物体が水圧により受ける水平方向の力は、打ち消しあって効果を及ぼさない事を示そう。
微小区間 dS に働く力 f の水平成分(=X成分)は、 ex との内積をとって f ・ex であるから、物体にかかる水平方向の力を求めるには、f ・ex を立体全表面の範囲 S で面積分すればよい。f については

であったから、

ここでベクトル場 Wx を以下の形で定義する。

ガウスの定理より、
(証明終)